変則的な歯根端切除術 術後1年6か月
かなり前に他院さまにて差し歯を入れてから、ずっと違和感が消えずにいた患者さまです。
根の先端ではなく、横に大きく感染しており、
通常の根管治療ではほとんど改善が見られませんでした。
CTで見ると、根の全長の2/3程度の骨が溶けていました。
⇩術前のレントゲンとCTの断面です
このような場合、考えられることは、
①根の部分的な破折(ヒビ)
②根の側枝からの感染(根管の枝分かれ)
③根管の壁のどこかに穴が開いている(穿孔:パーフォレーション)
なのですが、
どれにも診療を進めていくうえでも確信が得られない状況で、
外科的に開いて感染除去と診断を行うことにしました
外科的に開いたところ、③のパーフォレーション(根の先端付近)でした
MTAセメントという封鎖材料を使用するか迷いましたが、かなり穴のサイズが大きく
安全に治癒をさせるために、感染源をすべて取り除く歯根端切除術を行いました。
かなり感染が横向きに進んでおり、変則的な切除になり予後の不安がありましたが、
術後の経過は順調で、すぐに違和感も消失しました
現在1年6か月経過しています
⇩現在のレントゲンです
骨もだいぶ回復してきています。
歯根膜という、正常な骨と根の関係性を示す組織もかなり見えてきています
現状では大成功ですが、まだ不安はあり、今後も予後を追う予定となっています
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